- 用法・用量
- 回数(1日3回)・タイミング(食後)・量(1回1錠)の組み合わせで書かれます。頓服は必要なときだけ飲む薬です。
- 市販薬の区分
- 箱に必ず表示:要指導、第1類、指定第2類、第2類、第3類。要指導と第1類は薬剤師の説明が必要です。
- 副作用が出たら
- すぐに薬袋の薬局か処方した医療機関へ電話し、処方薬は自己判断でやめる前に相談を。呼吸困難や顔の腫れがあれば119番。

薬局で受け取るもの
日本の薬局で処方箋の薬を受け取ると、薬は「薬袋(やくたい)」と呼ばれる紙袋に入っています。薬袋には患者名、薬局名と電話番号、調剤日、そして薬の飲み方が印字されています。多くの薬局では「薬剤情報提供書」も渡され、薬ごとに名前、錠剤の写真やイラスト、効能、主な注意点が記載されています。どちらも捨てずに保管してください。別の薬剤師や医師が、何を受け取ったかを最も早く確認できる資料です。まだ薬局を利用したことがない方は、先に日本の薬局の使い方をお読みください。
薬袋に書かれている言葉
飲み方は「用法・用量」の欄に書かれています。通常は「回数・タイミング・量」の組み合わせで、よく見かける表現は次のとおりです。
- 1日1回/1日2回/1日3回 — 1日に飲む回数です。
- 1回1錠 — 1回に飲む量です。錠は錠剤、カプセルはカプセル剤、包は粉薬の1袋、水薬は mL で表示されます。
- 食前 — 食事の前。食後 — 食事の後。食間 — 食事と食事の間で、食後およそ2時間が目安です。食事中ではありません。
- 毎食後 — 毎回の食事の後。朝食後 — 朝食の後。夕食後 — 夕食の後。
- 起床時 — 起きたとき。就寝前 — 寝る前。
- 頓服 — 痛みや発熱のときなど、必要なときだけ飲む薬です。薬袋には次に飲むまでの間隔と1日の上限が書かれています。
- 外用 — 塗り薬、貼り薬、目薬や鼻の薬など、体の外側に使う薬です。
量やタイミングを自己判断で変えないでください。薬袋の内容に分からない点があれば、その場で薬剤師に確認しましょう。薬剤師には薬を説明する義務があります。

お薬手帳
お薬手帳は、薬局が調剤した薬の記録シールを貼っていく小さな冊子です。日本のどの薬局や病院でも服用歴をひと目で確認でき、重複や飲み合わせのチェックに役立ちます。カウンターで頼めば無料でもらえます。スマートフォンのアプリ版もあり、厚生労働省は電子版お薬手帳のガイドラインを定めて、それに沿ったサービスの一覧を公開しています。マイナポータルと連携したアプリでは、本人の同意のもとで、各医療機関・薬局で交付された薬剤の記録を取り込むこともでき、電子処方箋に対応した薬局の場合は情報がリアルタイムで反映されます。[2]
市販薬の箱:リスク区分
日本で売られている市販薬の箱には、必ず商品名の近くに区分が印刷されています。区分を見れば、その薬がどのように販売されるかが分かります。[1]
- 要指導医薬品 — 処方薬から市販薬に切り替わって間もない製品などが該当します。薬剤師の対面での説明が必要で、ネット販売はできません。
- 第1類医薬品 — 薬剤師だけが販売でき、事前に文書での情報提供があります。
- 指定第2類医薬品 — 第2類のうち特に注意が必要なものです。添付文書を読むよう促す掲示とともにカウンター付近に陳列されます。
- 第2類医薬品 — 風邪薬、鎮痛薬、アレルギー薬の多くが該当します。薬剤師のほか登録販売者も販売できます。
- 第3類医薬品 — ビタミン剤や一部の整腸薬など、最もリスクの低い区分です。
区分の数字は②のように丸数字で印刷されていることもあり、数字が大きいほど販売の制限は少なくなります。
有効成分はどこを見ればわかる?
市販薬の箱の側面や裏面には「成分」または「成分・分量」という表があり、通常は1日量または1錠あたりで記載されています。有効成分は国際的な一般名をカタカナで書いており、たとえばアセトアミノフェンやロキソプロフェンといった表記です。同じ名前は「有効成分」の欄にも記載されています。カタカナを翻訳アプリで読み取り、薬ガイドで成分の働きや海外での規制状況を確認してください。総合感冒薬は複数の成分を含むことが多いので、表全体を読み、すでに飲んでいる薬と成分が重なっていないか確認しましょう。
添付文書の「してはいけないこと」と「相談すること」
市販薬の箱には「添付文書」が入っています。冒頭の枠で囲まれた2つの項目が特に重要です。「してはいけないこと」には、その薬でアレルギー症状を起こしたことがある人は使わない、同じ成分を含む他の薬と併用しない、服用後は運転しない、といった絶対に守るべき事項が書かれています。「相談すること」には、妊娠中や授乳中、特定の持病がある人、一定の年齢未満の人など、使用前に薬剤師や医師に相談すべき状況が書かれています。医薬品医療機器総合機構(PMDA)は一般用医薬品と要指導医薬品の添付文書を検索できるデータベースを公開しており、購入前にスマートフォンで読むことができます。[3]
英語の添付文書とその限界
PMDA のサイトには英訳版の添付文書がありますが、作成しているのは製造販売業者で、対象は一部の医療用医薬品に限られ、参考資料と明記されています。正式な文書は日本語版で、翻訳は改訂に追いついていない場合があります。[4] 市販薬の添付文書には公式の英語データベースがありません。実際には、成分表を読んで薬剤師に相談するのが確実な方法です。
ラベルの「後発品」表示
処方薬のラベルには「後発品」または「ジェネリック」と書かれていることがよくあります。日本の後発医薬品は先発医薬品と治療学的に同等であるものとして承認され、薬価が安く、現在では後発医薬品がある薬の数量の9割近くを占めています。[5] 後発医薬品がある先発医薬品を医療上の必要がないのに希望すると、通常の自己負担に加えて「特別の料金」(選定療養)を支払います。2026年6月からは、価格差の2分の1に相当する額です。[8] 処方箋や薬袋の薬の名前の前に【般】と付いていることもあります。これは商品名ではなく一般名で書かれた「一般名処方」の印で、薬剤師がその有効成分を含む製品の中から選んで調剤できることを意味します。
使用期限と保管
市販薬の箱には「使用期限」が、通常は年月の形で底面や側面に印刷されています。処方薬の錠剤は大きなシートから切り分けられるため日付が無いことがあります。どのくらい保管できるか薬剤師に聞き、薬袋の調剤日を目安にしてください。保管方法は「室温保存」「冷所保存(多くは冷蔵庫)」「遮光」「湿気を避ける」などと表示されます。日本の書類では元号で日付を書くことがあり、令和8年は2026年です。
発疹が出た・体調が悪くなったらどうする?
すぐに、薬袋に印字された薬局か、処方した医療機関に電話してください。中止・継続・変更のいずれが適切か判断してもらえます。処方された薬を自己判断でやめないでください。急にやめると、治療している病気が悪化する薬もあります。[7] 市販薬の場合は使用をやめ、医師の診察を受けるか薬剤師に相談してください。呼吸が苦しい、顔や喉が腫れる、発熱を伴う広範囲の発疹などの重い症状があれば、119番で救急車を呼んでください。医療機関を受診するときは、原因と考えられる薬を必ず持参してください。日本には、処方薬・市販薬を問わず適正に使用した医薬品で健康被害を受けた人のための公的な救済制度があり、入院が必要な程度の被害に対して給付が行われます。申請の窓口は PMDA です。[6] 副作用を報告する際に製品を特定できるよう、箱、添付文書、薬袋は保管しておきましょう。英語で受診できる医師を探すには病院検索をご利用ください。
用語集
- 薬局 — 処方箋を調剤する店舗
- 処方箋 — 医師が発行する薬の指示書
- 薬袋 — 薬を入れる紙袋
- 薬剤情報提供書 — 薬の説明書
- お薬手帳 — 服用歴の記録冊子
- 用法・用量 — 飲み方と量
- 成分/有効成分 — 配合されている成分/効き目のもとになる成分
- 添付文書 — 製品に同封される説明文書
- 副作用 — 薬による望ましくない作用
- 使用期限 — 使用できる期限
- 後発品 — ジェネリック医薬品
- 市販薬/一般用医薬品 — 処方箋なしで買える薬
よくある質問(FAQ)
薬袋を英語で出してもらえますか?
頼めば薬袋や薬剤情報提供書を英語で印字できる薬局もありますが、必ず対応できるとは限りません。飲むタイミングを英語や数字で薬袋に書いてもらい、薬剤情報提供書を写真に撮っておくと安心です。
「食間」とはいつ飲むことですか?
食事と食事の間、食後およそ2時間が目安で、食事と一緒に飲むという意味ではありません。「食後」と混同しやすいので、薬袋に「食間」とあれば薬剤師に確認してください。
短期滞在でもお薬手帳は必要ですか?
必須ではありません。日本で複数回受診する場合は役立ちますが、シールの写真や、普段の薬を一般名で書いたリストでも同じ役割を果たします。
後発品(ジェネリック)は同じ薬ですか?
同じ有効成分を含み、先発医薬品と治療学的に同等であるものとして承認されています。先発品を希望する理由がある場合は、処方箋を出すときに薬剤師に伝えてください。公的医療保険では、後発医薬品がある先発医薬品を医療上の必要がないのに選ぶと、特別の料金が加算されます。
出典
- 厚生労働省 — 医薬品の販売制度(要指導医薬品・一般用医薬品の区分) mhlw.go.jp
- 厚生労働省 — 電子版お薬手帳(ガイドラインと対応サービス一覧) mhlw.go.jp
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA) — 一般用医薬品・要指導医薬品 添付文書検索 pmda.go.jp
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA) — 英訳添付文書(English-translated package inserts) pmda.go.jp
- 厚生労働省 — 後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進 mhlw.go.jp
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA) — 医薬品副作用被害救済制度 pmda.go.jp
- 政府広報オンライン — 薬の副作用が疑われたら、すぐに医師に相談を gov-online.go.jp
- 厚生労働省 — 後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について mhlw.go.jp
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療の代替ではありません。必ず医師にご相談ください。







