病院のかかり方

歯が痛いときはどうする?日本の歯医者のかかり方と費用を解説

日本の歯科医院で保険が使える治療と使えない治療、費用の目安、治療が複数回に分かれる理由、休日・夜間の歯科診療、言語対応の歯科医院の探し方を解説します。

この記事の医学監修

別府 仙梨Senri Beppu, MD

倉重病院 理事長・循環器内科医

日本語版は、私が医師として確認しています。

日本に住む海外の友人が多く、日本でどのように医療を受けたらいいのか分からず困っているという話をよく聞いていました。また、医師として働く中で救急外来に来られる海外の患者さんの中には「自分の国の言語が通じるところがない。」「どこを受診すれば良いか分からない。」などのご意見をいただき受診するだけでもハードルが高い事をより感じました。何か助けられる手段はないかと考えている時にJapan Medical Pressと出会い関わらせていただきました。日本語を母国語としていない一人でも多くの方が日本で安心して医療を受けられるように分かりやすく正しい情報を提供させていただきたいと思います。

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要点
窓口負担
保険診療は3割
保険外
インプラント・セラミック・ホワイトニング・成人矯正
夜間・休日の痛み
自治体サイトで「休日歯科診療」を検索

歯科は別の医療機関です

日本では、歯の治療は一般の医院ではなく歯科医院(歯科)で受けます。病院の歯科口腔外科は、複雑な抜歯など、歯科医院から紹介される難しい症例を主に扱います。多くは歯科医師1〜2人の個人開業で、クリーニングは歯科衛生士が担当します。紹介状は不要です。予約なしで受け付ける医院もありますが、電話やウェブでの予約が一般的です。看板の「歯科」「歯科医院」を探してください。「小児歯科」とあれば子どもを診てもらえ、「矯正歯科」は歯並びの治療を行います。

保険が使える歯科治療は?

日本の健康保険(被用者保険または国民健康保険)に加入していれば、歯科でも医科と同じルールが適用されます。保険診療の費用は全国一律で決まっており、患者は原則3割を窓口で支払い、残りを保険者が負担します。未就学児と70歳以上は負担割合が低くなります。[1] 保険診療の範囲は広く、症状がある場合の診察、レントゲン、詰め物、親知らずを含む抜歯、根管治療、歯周病の治療、標準的な被せ物やブリッジ、レジンや金属を使った入れ歯などが含まれます。

一方、見た目を目的とした治療や、標準を超える材料を使う治療は保険の対象外です。代表的な自由診療は、オールセラミックやジルコニアの被せ物(どの歯でも保険外。保険で入れられる白い被せ物はレジン系のCAD/CAM冠で、2026年度の診療報酬改定により前歯・小臼歯・大臼歯のいずれにも使えます [7])、インプラント、ホワイトニング、成人の矯正です。これらは医院ごとに自由に価格が設定されるため、同意する前に書面の見積もりをもらいましょう。

歯医者は1回いくら?

保険を使う場合、歯の痛みでの初診(診察・レントゲン・簡単な処置)は3割負担でおおむね3,000〜5,000円、再診は1回1,000〜3,000円程度が目安です。処置内容によって合計は変わるため、あくまで当サイトによる大まかな目安であり、公的な料金でも固定料金でもありません。自由診療は医院によって大きく異なります。自由診療に公的な料金表はないため、あくまで大まかな目安ですが、セラミックの被せ物は1本あたり8万〜15万円程度、インプラントは被せ物込みで1本30万〜50万円程度からとされることが多いです。

治療が何回にも分かれる理由

日本の歯科医院では、1回の受診で少しだけ処置をして「また来週来てください」と言われることに、外国から来た方は驚きがちです。これは普通のことです。保険の診療報酬は処置ごとに決まっており、同じ日にできる処置や算定できる範囲にルールがあるため、医院は治療計画を段階的に進めます。口の中を部分ごとに分けてクリーニングする、根管治療は数回に分けて清掃と充填を行う、被せ物は作製後に別の日に装着する、といった具合です。滞在期間が限られている場合は初診時に伝えてください。工程をまとめられる医院もあり、自由診療は同じルールに縛られません。

持ち物と受診の流れ

  • マイナ保険証(保険証として登録したマイナンバーカード)、または資格確認書。ないと全額支払いになり、後で払い戻しの手続きが必要です。
  • 子どもの医療証など、医療費助成の証明書。
  • 服用中の薬とアレルギーのリスト。妊娠中や抗凝固薬を服用中の場合は歯科医師に伝えてください。
  • 現金。カード対応の医院も増えましたが、小規模な医院では現金のみのことがあります。

初診では問診票を記入します。英語版があるか尋ねてみてください。診察券が発行されるので、毎回持参します。支払いは受診のたびに受付で行います。

夜間や休日に歯が痛くなったら、どこへ行く?

ほとんどの歯科医院は日曜・祝日が休みで(2023年の国の調査では、日曜に診療時間を設けている歯科診療所は約1割)、平日に1日、多くは木曜を休診にしている医院も少なくありません。[8]時間外の強い痛みには、お住まいの市区町村の休日歯科診療や夜間急患歯科を利用します。これらは地域の歯科医師会が自治体と協力して運営しており、痛みを抑える、出血を止める、取れた詰め物に対処するといった応急処置のみを行うのが基本で、本格的な治療はかかりつけの歯科医院で受けます。たとえば大阪市の休日・夜間緊急歯科診療所は、日曜・祝日は10時〜17時、夜間は毎日21時〜翌3時に開いており、健康保険の資格を確認できるもの(マイナ保険証または資格確認書)の持参を求めています。[3] 東京都江東区では日曜・祝日に地域の歯科医師が当番制で対応し、来院前に電話するよう案内しています。[4]

最も早い探し方は、市区町村のウェブサイトで「休日歯科診療」「夜間 歯科」と検索するか、自治体の医療案内窓口に電話することです。実施内容・時間・電話番号は自治体ごとに異なり、休日のみ対応のところもあるため、出かける前に確認してください。歯の痛みだけで119番(救急車)を呼ぶのは適切ではありません。重いけがや呼吸困難のときに使います。

定期検診は文化の一部

日本の歯科医療は予防を重視します。医院は3〜6か月ごとの検診とクリーニング(定期検診)を勧めており、日本歯科医師会も、見えにくい部分のむし歯のチェック、歯周ポケットの測定、歯垢・歯石の除去、歯ブラシやフロスの使い方の指導を含む定期的な歯科健診を推奨しています。[2] 歯周病などの診断がついている場合、こうした管理の受診は保険で行われるのが一般的ですが、健康な口の純粋な予防目的のクリーニングは医院独自の料金になることがあるため、確認してください。

子どもの歯科治療

ほとんどの市区町村が子どもの医療費を助成しており、保険診療の歯科治療も対象です。たとえばさいたま市では、18歳になった年度末まで保険診療の自己負担分が助成されますが、保険外の歯科治療費は対象外です。[5] 年齢の上限や1回あたりの少額負担の有無は自治体によって異なるため、子どもの登録時に役所で確認してください。受付では子どものマイナ保険証または資格確認書と一緒に医療証を提示します。

日本の保険がない旅行者

観光客や短期滞在者は全額を支払います。保険外の患者向けに独自の料金を設定している医院もあり、保険の点数より高くなることがあります。旅行保険の情報を持参してください。日本政府観光局(JNTO)のガイドは、入国後に加入できる民間の医療保険を紹介するとともに、医療費を支払わずに帰国すると将来の入国を拒否される場合があると注意しています。[6] 明細付きの領収書をもらい、保険会社が求める場合は診断書も依頼してください(診断書は有料です)。

言語対応の歯科医院を探す

Japan Medical Press の医療機関検索で歯科の絞り込みを使うと、英語・中国語・韓国語などで対応できると掲載している医院を一覧できます:歯科医院を探す。あらゆる種類の医療機関は医療機関検索から探せます。JNTO のガイドでも、地域・言語・診療科で医療機関を検索でき、歯科は「口腔」の分類にあります。[6] それ以外の地域でも、翻訳アプリと下記のフレーズがあれば通常の受診は乗り切れます。

役立つ単語とフレーズ

  • 歯科/歯医者(shika / haisha)— 歯科医院・歯科医師
  • 歯が痛いです(ha ga itai desu)— 歯の痛みを伝える言い方
  • 詰め物が取れました(tsumemono ga toremashita)— 詰め物が外れたとき
  • 保険は使えますか(hoken wa tsukaemasu ka)— 保険診療かどうかの確認
  • 自由診療(jiyū shinryō)— 保険外で医院が価格を決める治療
  • 見積もりをください(mitsumori o kudasai)— 費用の見積もりを頼むとき
  • 麻酔(masui)— 痛みを抑える注射
  • 抜歯(basshi)— 歯を抜くこと
  • 定期検診(teiki kenshin)— 定期的な検診とクリーニング
  • 休日歯科診療(kyūjitsu shika shinryō)— 休日の応急歯科診療

よくある質問(FAQ)

日本の歯科医院は予約が必要ですか?

必須ではありませんが、電話やウェブでの予約が一般的です。予約なしの場合は長く待つか、別の日に来るよう言われることがあり、特に都市部の混んでいる医院ではその傾向があります。

親知らずの抜歯は保険が使えますか?

使えます。親知らずを含む抜歯は保険診療で、通常の3割負担です。難しい症例は病院の口腔外科に紹介されることがあり、これも保険の対象です。

治療を1回で終わらせることはできますか?

通常はできません。日本の保険歯科診療は処置の算定ルールの関係で、短い受診を複数回に分けて進めます。滞在期間が限られている場合は初診時に伝えてください。工程をまとめられる医院もあります。

インプラントは健康保険の対象ですか?

対象外です。インプラントは自由診療で、医院ごとに価格が異なるため、書面の見積もりをもらってください。保険で受けられる代替はブリッジや標準的な入れ歯です。

出典

  1. 厚生労働省 — 医療費の一部負担(自己負担)割合について mhlw.go.jp
  2. 日本歯科医師会 — 歯科健診を定期的に受けよう jda.or.jp
  3. 大阪市 — 休日・夜間緊急歯科診療所 city.osaka.lg.jp
  4. 江東区 — 休日診療・休日歯科診療のご案内 city.koto.lg.jp
  5. さいたま市 — 子育て支援医療費助成制度について city.saitama.lg.jp
  6. 日本政府観光局(JNTO) — 具合が悪くなったときのガイド(医療機関検索・旅行保険、英語) jnto.go.jp
  7. 厚生労働省 — 令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】(56ページ、CAD/CAM冠及びCAD/CAMインレーの適応拡大)(PDF) mhlw.go.jp
  8. e-Stat(厚生労働省) — 令和5年医療施設(静態・動態)調査 全国編 第180表 歯科診療所数(重複計上),表示診療時間・開設者・救急医療体制(再掲)別 e-stat.go.jp

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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療の代替ではありません。必ず医師にご相談ください。

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